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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
どこかの先生で坊さんらしい人が翻訳しているのです。母権論の序文を。長い訳者序をつけて。神代の神話にからめ、女は働いていさえすれば隷属はないというようなことや、母たる感情の本源性を強調して。これはこの頃の一つの風潮です。母と子とがこの社会での現実の関係ではなくて心霊的結合であるかのように。女において最高の感情を母性感におき、同時に大飛躍で女の勤労性の強さをぬき出して讚美する風。実際上この二つのものの間にある様々のものにふれずに。
病気をする前に、新しい興味で勉強しなおしていた本は、バッハオーフェンの先駆的な意味を十分に明らかにしていたのでそのブックレビューは、今日を生きている女としての現実に科学的なよい意味でのアカデミックな裏づけをもって書くことが出来てうれしかった。プルードンへの批評にしろ、五千円範囲の住宅建築には今度の増税もかからないというような点と結びあっていてやはり面白いこと。
○十日ずつでよんだ本の頁数をノートをするということ。きっと面白いでしょうね、些か中学生風であるが。仕事をどの位したかということが、様々の形でわかって。あなたは大変に大変に狡いわね、忽然として今そう思いました。