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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

逆にずっと玄関の方へ出てゆくと、一番はじめに、い、があるわけです。内科は、は、です。※は急な場合、科によらず入れるところ。ですから小児科もとなり合わせで、少なからずやかましいようなこともあります。きのう(三日)はじめて午後すこし歩いて二階の休憩室まで行って見たら、ラジオをやかましくやっていて、閉口してにげかえりました。おしるしの初雪でしたこと。

(三)手前の木立は外苑ですね。大きく見える玄関は外来の玄関で、その左奥に信濃町に面して、私たちの入口があるがはっきりしないこと。外苑から出て省線の上にかかっている橋をわたった左側の白い一かたまりは別館でしょう。別館とこちらの建物とは長い地下道でつながれて居ます。別館から又はなれて見える一つが食糧研究所の建物でしょう。こうして見ると随分ギッシリとして大きいことね。校舎、研究室皆あるから。そして、信濃町の通りのソバや洋食やすしや、皆この一ブロックのおかげで御繁昌というわけです。((三)までで終り)

一月六日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 慶応大学病院より(封書)〕

一月六日  第三信

明るい午後。風がきついらしいけれども、実に実に青い空。