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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
そこに沢山のおまじないがこめられて、あなたの体をぐるりととりまくようになっている(普通のうちあげですが)。由来昔から魔女が自分の愛する者をいつまでも自分のところにとめておきたいと思うとき、その人の体のまわりに輪を描くのがしきたりですからね。二つの腕でだって、やはり描くのは輪ではないの、ね。
顕兄さん、背骨がかゆうてよう眠れまい。これは私が背筋を縫っているときの多賀ちゃんの評です。
――○―― 二十四日
きのうは若い連中三時半におきて出た。目醒しが私。
きょうは四時半。やはりその目ざまし役も買っていたら、お母さんが十二時頃目をおさましになって、もう眠れないからいいということで責任をゆずり。三円七十銭(目ざまし時計の価)の役目終り。今夜帰京の荷づくりをします。午前中本よみということにして二階に上って来たところです。
◎冨美子の英語は三年になると、英語と手芸とどっちに重点をおくか生徒をその希望によって二つに分けるのですって。そして、英語には相当の理由、相当の学力がなければ編入させぬ由。冨美子の英語は甲の由。三年からは英語志望する由。二部へ入るのだし理由はあるわけですね。