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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
むずかしいものですね。時代は八方へ作用して居りますから。公私とも八方への目くばりがいる。質がどんどん変って行っていて、そのことでは文学の或ものの持続性とはおのずから異って居りますから。彼等に云わせれば、結局は芸の問題さと、いうでしょう。一面の事実ですが、そういうことで他の一面をずるくごまかしていることになるのでもあります。そして、そのごまかした点については自分自身へさえも、白ばっくれているというわけでしょう。
そちらへの夜具、奇麗なさっぱりした布買って縫わしにやっておいたら、かけ布団に裁ったと云って来た。大いにカンシャクを起して柳眉を逆立てました。玄人のくせに。早速直させます。
きょうは体の節々が痛いようです。
若葉のかげの白煙も大分、今は低くなりました。まだ低く漂って居ります、白く光って。
隆ちゃんの出るとき、芝生で皆でとった写真来ました。台紙に貼ってお目にかけます。隆ちゃんがあなたに似ているのに稲ちゃん、びっくりして居りました。
達ちゃんや隆ちゃんへの送るもの近日中に手配いたします。隆ちゃんへは支那語のやさしい便覧すぐ送りましょう。
土曜日、余り厚く着ていらっしゃるのですこしおどろき気味でした。