轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

(島田へ)きっとやっぱり珍しくお思いになるでしょう。

お送りする写真には何という題をつけましょうか、母上京記念写真と平凡につけましょう。どうぞそのおつもりで。隆ちゃんには見本として出来て来たとき真先に送りました。達ちゃんには本と一緒にこれから。隆ちゃんのところへはきっと永くかかるでしょうし、一日も早く、お元気なお母さんのお顔見たく思って居るでしょうから。

図書館通いが、胸のバタバタでおくれてしまいました。きょうはまだ外出せず。『ミケルアンジェロ』をよもうと思います、書くもののために。若い人々は一冊でもよい本を知らねばならず、そのよみようも知らなければなりませんから。そして、「時間は人間成長の室である」という言葉のおどろくべき豊富な内容にふれることが大切ですから。

今朝『朝日』に、室生犀星が、豊田正子の近く書いた「おせっかい」というのをよんで、「正子に詩がない、詩をもたずに生れた少女の運命」というようなことを云って居ます。詩をもつ少女とは、では何でしょう。

彼女にあって問題なのは詩の有無以前のことです。ものを書くのは、元来、この毎日の生活のうちにある自分の心に何か語らずにいられないものを感じて、生命の声として書き出すのに彼女は作文を今日のジャーナリズムに煽られ、そのままフワフワと来ている。