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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

自然主義文学の永い時代、一どはかたまって出た婦人作家の一人も、謂わば働きとおさなかった、それは何故か、野上彌生などは『ホトトギス』からですから。写生文時代以後です。やっぱり、明治の初頭に現れた彼女らの現れかたによっていると思われます。それらのことは、今日、女の作家というものが現れているそのことのありようにも関連していろいろ考えさせ、引いては豊田正子のような人造もの書きに到ります。それらのことを書きたいと思います。男の子に正子がない、あり得ないことについて、ね。岡本かの子の巫女ぶりと正子とは、文学と婦人とのいきさつのピンとキリを示している感です。

明日おめにかかれば、又書くことが出来るのは分っているけれども、これはこれとして出します。

ひさがここにいるのももう一週間足らずです。ああ、筧さんの奥さんの話ね、あれは先方の家庭の工合、考えようで駄目だそうです。これから十一月迄農繁期ですからどうせなかなかないでしょう。繁治さん、きのうの日曜日にはユニフォームを着て野球に出かけたそうです、服装一切会社から出て。体位向上なのね、きっと。本当に明日はどんな御様子を見ることが出来るでしょう。