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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
それはそうでしょうね。一分計の細いの(ジールなどの型)は三分。平型は一分計でも五分の由です。それで完全の由です。よろしくとのことでした。神経質になって拘泥するなどのことは決しておありなさるまいからと、私が却って、はげまされる形でした。
どうか呉々お大切に。私はすこし気になることがあるの、お笑いになるかもしれないけれども。この前のときは、謂わばちっともいそいでいらっしゃらなかったでしょう? よくなる時期について。今回はどうでしょう、いくらかせかれているところないかしら。何だかいくらか前とはちがいそうです、同じ悠々と云っても。どうぞどうぞ悠々とね。今度の方は先とちがって慢性の型になっているでしょうから、悠々の内容も又その時期としての特徴があるのでしょう、おのずから。本当にゆっくりと御養生願います。きっと上手に持ってゆく術を御会得と信じて居ります。
それからね、金曜日は全く悲観したの。あれから目白へかえって出来ている布団をお送りしようとしたら、どうしたとんまか布団屋が綿を入れすぎて来ている。あの場所を現に見ていて「はい、これが夏の布団」などと出されるものではないの。