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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
八月十一日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書 速達)〕
八月十一日 第七十六信
日本橋の東洋ケイザイへ行ってハンケチ忘れて行って、フーフーになってかえって来たらお手紙。(九日づけ)大いにニヤリといたしました。というわけは、珍しくもあなたからのお申しつけの方がほんの一足あとになったわけですから。大いに気をよくいたしました。本のノートなんか勿論ちゃんとしてあります。『医典』のところには未決の赤チェックがしてあります。
さて、用事だけをとりいそぎ
一、『経済年報』昭和八年度 第十二輯―第十五輯揃いました。
一、『朝日年鑑』九年版、十年版揃いました。
一、『朝日経済年史』これは目下親切な人が大阪の社へ問合せ中です。大観堂の方はまだ。
一、『医典』については「速達」ハガキに申しました通り。大正十二年版ではひどいと本やの話です。いかがしましょうか、本月末まで待ちましょうか。
一、弁護士のこと、代々木の方はハガキで申上げました通り。伊勢氏はまだ行かないそうです。栗林氏には、先方がまだ会っていないそうだからもうすこし経って、と云いましたらあなたが、直接本人に会って欲しいと云っていらしたとのことでした。