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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

赤ちゃんでも、女の児には、女の児の生理があるのです、ちゃんと、もう。或る特徴が現れて、それはこの小さい桃色の体の内に、欠けるところなく女性が蔵されていることを告げるもので、昔の人は完全な女の子のよろこびにお赤飯をたいたのですって。大変にいじらしく思います。無心に眠っているのにね。私は、女の子は人生が受け身だから男の子の方がいいと思っていたけれども、こうしていろいろ見ていると、そういう点もやはり愛憐をひきおこします。可愛さにかわります。この点は大変面白い心持です。男の子に、私はやはり凜々しい資質、英気を求めていて、太郎にそれが欠けていると腹立たしい。可愛さの逆の面で。女の子に(赤坊だからだけれど)は初めからちがったところがあって。それだけ女の生きる道が嶮しいわけです。

泰子のお喋りをこんなにして。二人の子供たちをつれて小旅行にでも出られる年になること(二人の子が)たのしみです。覇気のある男はある。英気というものは少いものですね。

では月曜日に。早く参ります。どんなお天気かしら。大雨風だったらユリは、龍になるかもしれず。女は大雨のときは龍になるのですから、昔から。