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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
迚もむずかしいから。こちらの家はおみやさんが番をしてくれます。
ね、それからちゃんと坐って、三遍お辞儀をしてお願いいたしますことは、読書がたまってあとで一時になりますが、どうぞどうぞ御勘弁。お手紙、若し急な用なら電報等、林町へおねがいいたします。アトレイの本駄目でした。そのこと、もう書きましたね。いろいろすっかり片づけて、十月十七日にはさっぱり花を飾ってお祝いしようと、本当にたのしんで居ります。あなたは桃太郎のしわんぼだから、御褒美を丸ごと一つは下さらず、きっと半分下さるでしょうが、それでも私は大変それを楽しみに籠城にとりかかります。では、ね。
十月六日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
十月六日 第九十三信
三日づけのお手紙をどうもありがとう。五日に頂きました。まぎれ込んだ二つの手紙というのは、何となし忙しくていらっしゃる空気がわかるようで面白うございました。そうね。私たちもたまにはそんなこともあるぐらい古(!)夫婦になったというのはおめでたいというところでしょう。
表は、九月下旬からこの九日ぐらいまでひどいギザギザで恐れ入りますが、どうぞあしからず。