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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

その間に徳永直さんの「はたらく人々」の書評をかきました。しんそこはイージーで、岩の上を波が洗うようにこして書いていて、いい心持がしませんね。ぶつかるところへぶつかっていないところがある、どうも。その上に男の作家が女の出産の苦痛などこまかに描いているのも何だか。男としての心持からなら良人の心持の面からかくならよく分るし、一生に一度、ものをかく人ならかきたいだろうと思うところがありますけれども。この頃はこういう瑣末とっちゃん趣味がはやりでね。重治さんさえひっかかっている。市民の感情というものの解釈の問題です。

さて、英研ね、九月十日に十月号は発送して居りますって。しかし未着ならばすぐ改めて発送すると云って居ります。そのうちにつくでしょう。やはり予約は四月迄あります。

きょうは行きそうにかきましたけれど、考えて見ればおきまりの人があるのですから、おやめにいたしました。きょうの午後信濃町の先生かえられました。すぐ都合問い合わせておきました。電話かけたらね、おばあさんが、迎えに出る時間でも問い合わせたかと勘ちがいされて、「ありがとうございます」としきりに云われたには恐縮しました。