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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

写真の下にかく文章なんてむずかしいものです、なかなか。サラリとかくのには。妙ね、女のひとは多くその写真に即していろいろかく傾向です。或種のひとは、そういうところで抜らず自家広告をいたしますし。

この頃夜よくお眠りになりますか?

私は大変ねむいのです。なるたけ早くねて、きのうも十時前ぐらいでしたろう。眠るのがたのしみというようなところがあります。今夜もどうも早くねむいという傾です、どういうわけなのかしら。マア結構ですが。なるたけどっさり眠って、そろそろ又眼の色をかえなければ。

『セルパン』に「女流作家をめぐる論争」というのがあって、何かと見たらそれはイギリスの批評家のアンソニー・ウェストが『ニュー・ステイツマン』で四人の女流作家の書評をやって、婦人作家 woman novelist のまわりに lady novelist 貴婦人作家という名称をつくって、女の作家の下らなさを評しているのに対して、ミチェルとロニコルという作家が抗議しているが、それが又他愛なく、経済や政治の知識があって、その方面の著書もある婦人作家ネイオミ・ミチスンが、一般にヨーロッパ社会の一部に生じているそういうつまらない性的対立を助長する風潮にふれ、現在の不況時代に女性があらゆる部門から駆逐しようとされているということを抗議しているのでした