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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
にしろ。この人は夫妻とも知っています。九州の出身の人ですが。
『書斎』と『読書界』もうじき届くと思います。
島田と多賀ちゃんにはおっしゃったように手紙出しました。どんな工合に決着しますかしらね。Kにも手紙をかき、島田に働く気の有無をきき合わせました。これもどんな返事をよこすかしら。
達ちゃん、隆ちゃんには二三日のうちに袋を送ります。隆ちゃんにはあの本(『戦場より故郷へ』)入れましょう。
お母さんには何がいいかしらと目下大いに頭をひねって居ます。何かマアとお思いになるものをあげたいことね。いろいろちょいちょいしたもの揃っているので、思いつけるのがむずかしい。まだいい知慧が浮びません。この折から、これはとお思いになるもの何かないかしら、もしいいお気付があったら教えて頂戴。毛糸でこしらえた下着類も、もう純毛なんかないし。本当に何かいい思いつきをしたいこと。お母さんは毛皮の胴着、羽毛の肩ぶとん、そんなものも先にお送りしてあるし。
うちでは多分この火曜日から五日ぐらい、私が林町へ行って図書館通いして、壺井さんの妹が目の治療をさせている小さい娘と息子をつれてここに暮すことになりそうです。