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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

そして適当なところへ御返事下さい。

それから本について、

冨山房のはつきましたろうか。『読書界』は出て居りますが、あすこはいかにもあすこらしく、ちゃんと実費を払うというのではないのね。只よこすのですね。『書斎』は出ているとばかり思ったら、この十一月から休刊の由です。やはり紙の不足からでしょう。従ってこれはありませんわけです。

島田から光井からそれぞれ返事が来ました。お母さんの御意見では、フォードと云っても大した古いもので、達ちゃんがかえるまでもつか、それもあやしく、もし達ちゃんが売れと云ったら売るつもりで返事を待っていると云っておよこしになりました。それは私たちには分らないから、それでよろしいでしょう。Kは私たちから手紙を書くより前、お母さんが「もう一度働く気はないか」とおっしゃった由。そのときK留守であったそうで「では宮本様へ上って御都合を伺います」と云って来て、お母さんのお手紙の方には、折角かえれたのにすぐ商売をやめるというのも変だし、あんまり一人になるのもよしあし故、当分又やってゆくとのお話ですから、きっと好都合に行きましたのでしょう。それでようございました。