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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

バラもそちらで開いて満足です。どんなのが行くか分らないのですもの。開き切らずに蕾のバラが行ったとはしゃれている、そして、次第次第に咲きみちたというのは。

梅というのは、紅梅であったのが、初めてわかりました。それも好いこと。私は紅梅がすきです、濃い、こっくりした紅色の梅。だが私はもっとおそくしか咲かないものと思っていたので、この間『文芸』へやった日記の原稿にもうすこしで「寒の紅梅」としそうになったが、まだ咲くまいと思ってただの梅にしてしまいました、おしかったこと。もし梅を植える庭があれば、私たちは紅梅を一本きっと忘れなかったでしょう。

連信に対しては、非常に深い関心をもって下すって有難く思い、又そのような深い根づよい関心の底にあるより深甚な愛、人生への愛というものを感動をもってうけとります。我々のこの愛すべき生活の日々に、悠々として而もたゆみない成長を見て行こうとする努力を自身に期待し、又期待されるということは、厳粛なよろこびです。勉学のこと、文学の仕事のこと、そして折にふれて美しさきわまりない詩譚を話すこと。我々のところにある生活の刻々が、最も全的に、充実的に満たされることを希う心持は益※(二の字点、1-2-22)深められて来ていて、今では、おそらくあなたの胸のそのあたりにそのような深さで滾々と湛えられ