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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

冬のゆたけさは霜と雪とです。春の泥濘も歩くにえらいがやはり感情があります。

さて、私のおなかのひきつりの件。ひきつりはこのごろ大分ましになったのです。はじめ内部がひきつって嘔気を催したりした位でしたが、それはやんで、次には歩くとどことなく不快につれていやでした。その感じも殆どなくなったら、昼間おきているとどうもなくて、夜床に入ると夜半そのために目がさめる位脚からおなかにかけてつれて痛みました。その頃(先月の二十日前後)は夜楽にねるために腹帯をとっていた時分です。そこで、又腹帯をすること(眠る間も)にして、その代り一工夫して、これまでの一丈二尺もあるのをやめて、短いのにうすく真綿を入れて広幅のままおなかをまき、夜中もそれをややゆるめにして眠ることをはじめたら、段々効果があらわれて、おなかの工合がましになりました。つれがなくなったし、おなか全体の内部が落付いて、腫れぼったい感じや不安感がなくなって、おなかも幾分ちぢみました。こわい気持なしに、ずーっとおなかをへこますことも出来るようになりました。この四五日の状態です。半年かかるというのは、直接つれのことではなく云ったつもりでした。