轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
10 一九四三年(昭和十八年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,557 字 · 426 页
そのうちに、お産の留守があり、温泉ゆきの留守、国府津の留守とつづき、私が毎朝太郎と共に起きてやり食事の世話をしてやり、私は太郎を全く十歳の男の子として扱いました。ふさわしい人格を立ててやって。
段々私たちのうちには先輩と後輩の関係が出来て、それが一番自然でいい絆となりました。自動車の機械について訊くのは父親です。本のこと、星のこと、その他種々雑多なことをきくのは私です。いつの間にか私が本をかくお仕事ということも知って来ているのよ、何冊書いた? ときたりしていました。ボーっとあなたのことも知っているわ、宮本のおじちゃんとして。あっこおばちゃんの旦那様として。
ところがね、ついこの間こういうことがあったの。
問題は太郎がひっぱり出して来た一枚のゴザです。今ゴザや畳表は売っていず、家の畳はところどころ大ぼろで、女中さんの室はやっと私が見つけてやったゴザで藁をかくしている始末です。ゴザを泥にしいて遊んでわるく役に立てなくしてはいけないと云ったら何かの気分でビービーと泣きはじめました。そしたら咲が、あっこおばちゃんは何にも御存じなかったんだから、と息子に云いわけをしている。