轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
10 一九四三年(昭和十八年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,557 字 · 426 页
やはり今年の流行病のひどさですね。どうぞ、どうぞお大事に。呉々もお願いいたします。私たちは食物に非常に注意して居ります。生のものは食べないようにして。
そんな条件はないように思える人が、うちでもあんな騒ぎを演じましたから、とてもあぶないのね。けさ七時半の汽車で、父さんと太郎女中さん安積へ出発しました。うちでは今健之助が百日咳でどこへも出られず、太郎のは休みはきまっているので先発したわけです。わたしは、落付いていて本当にうれしかったと思うのよ。こんなにガタガタしてあっちこっち右往左往している連中のなかで、自分も荷を送り、どこかへ出かけるとしたら、どんなに気ぜわしく休めなかったでしょうかと思います。私はこの頃ひどく脂肪の不足を感じ(!)Aを油でといたヴォガンというのをのんで居ります。紅茶に入れて。冬の間に医者がくれたのですが、却って今の方が要求されます。冬はまだ牛乳もあったしバターもありましたから。このヴォガンというのはスイスの製品だそうだからもうないでしょうね。何か珍しく当時入手したのだそうでしたが。ハリバでものみましょうか。ふとりたくもないのよ。