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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
10 一九四三年(昭和十八年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,557 字 · 426 页
私も大笑いいたします。ユーモアも時代的です。あなたもBが一番大事だそうですが、ずっと上っていらっしゃるでしょうか、メタボリン上って下さい。あれを一日十錠―十五錠のむと五ミリとかで、注射するのと匹敵するそうです。又島田へお金を送って願いましょう。もう補充もあやしくなってしまったから。
夜はよくお眠れになりますか、本当に本当に御苦労さまです。今週は一方が休みになりましたから、水、金とお見舞にゆきましょうね。
ちょいちょいとして上げて、小さいことでも、快適とわかっていることを何一つしないで石彫りのコマ犬のように眼ばかりキロキロさせてひかえているお見舞というのは決して決して楽なものではないことよ。少くとも良人を見舞う妻の最大の忍耐をもとめることです。
大変同感される詩を見つけましたからこの次はそのお話。(作家とテーマ)をかいた詩人の作品よ、あのひとのものならわるかろう筈もないと申せましょう。お大事にね。
八月二十六日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕
八月二十六日
さっきの雷は大きかったこと! どこへ落ちたのでしょうね、太郎が学校で粘土をこねていたら火柱が見えましたって。