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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
10 一九四三年(昭和十八年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,557 字 · 426 页
十一月五日(前略)
きょうの新聞でいよいよ出版整備のことが発表され、「実績」にこだわらず、「性格」で行くこと、今までの形をすっかり変えて、のこるのも統合して、公的な存在となるべきこと、益※(二の字点、1-2-22)書籍も弾丸であるということをはっきりさせ、二千軒は二百軒以下となるそうです。大観堂のように白水社のように小売やが出版するのは原則としてなくする由です。東京堂、三省堂、その他どうなるわけでしょうね。大したことです。文学者はどうするでしょう、何故なら書籍は弾丸で即ち消耗品であってよいかもしれませんが、文学は消耗品でも破壊力でもありませんから、そういう意味で出る本の内容とはなりがたいというところもあるでしょう。
繁治さんの勤め先もこのためにどうなるかというわけだそうです。久米正雄が何かの会で「作家は小学教員になるということも真面目に考えている」と話したそうです。文学もこういう時代を経て文弱ならざるものに到達するのでしょう。
高見順がこの頃『東京新聞』に「東橋新誌」という小説をかいて居ります。このひとはこの頃明治初年のものをよみかえしたと見えて、題からして「柳橋新誌」