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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
10 一九四三年(昭和十八年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,557 字 · 426 页
自然太郎の責任は私が負うこととなり、お産の留守番以来かなりもう沢山にもなっています。私は今迄は動きたくても駄目だったから。こうしていて月々にかかっている費用にいくらか足して山へゆけたらと考えている次第です。一日五六円のところを物色していて、十三年に行った信州の上林のせきやを問い合わせ中です。これとてもあなたが東京をはなれたって意味ないとお考えなら、ひとりできめて意気ごんでいるわけでもないのです。七時間位の汽車は外景を余り見ないようにしていたら大丈夫そうに思えているのだけれど。誰か送ってだけ来てくれたらば。
今度のことは、大東亜戦になったらばとリストがあって、それにより二千人近くだった由です。元のときすぐ保護観察というのに附せられ、最初の係が毛利という警視庁から行った人でした。いろいろのいきさつから私への点はからいと見えて、私の態度が私にはよくわからない理由でよろしくないという書きつけが出来上り、書類はひきつぐし一昨年七月頃一寸別のかかりの検事のひとと論判めいたことがあり、リストは消されず十二月となったわけです。検束で二ヵ月いて、この頃は検事拘留で一月三十日に拘留がつき、三月まで『明日への精神』