轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
10 一九四三年(昭和十八年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,557 字 · 426 页
あなたとしては、うちのものに対しては、まあ何とかするからと仰言るのは分っているが、しかしというとこまでは決して心の歩み出さない人々だということを痛感し、それで、父の死後私の名儀のものが自分のものとなったとき、全部手ばなして又あのあいまいな、わけのわからないいやな思いをしたくないと思ったわけでした。
必要な場合役にも立てないで、つくねておくようなら持たないにしくはないと、あなたはお思いにもなったのでしょうね。私は自分があんなにつめて心配していたのに、うちの連中は何ていう底ぬけかと思う心がつよくて、時期のくいちがいを御承知なかったあなたの方で、そんなものがあったのならとお思いにもなっただろう事情を心持として分らず、黙ってのこしておくこととなって、行きちがいをおこしたのでした。
考えてみると、暮しのやりかたが本当に拙劣であったと思います。しかし前の時は私はやっと原稿料で生活していただけで、その日ぐらしで、自分のいなくなったときの考慮まで出来ていなくて残念なことでした。今度は、招かざるお迎えが来たとき、すぐ寿江子にどこからどういうものをとってどうしてとたのみ、それがすぐ分るだけ大人になっていてくれてましでした。