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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
01 一九三四年(昭和九年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,990 字 · 30 页
それをとりあげ、そのまま又二階へまい戻りました。よんで、枕の横において、しばらく眠って又読みました。
私はひとり明るい日の光を夜具にうけながら天井を眺めて、笑った。あなたがやっぱり小さい字をお書きになったから。――しかも大変よくわかるように書けるから。
ありがとう。林町の人たちには、おことづてを一人一人につたえました。皆よろしくと申しました。島田の父上には、こちらからわかもとをお送りいたしますから上るようにと手紙をさしあげました。光井の叔父様がおかえりになってからは、あちらの皆さんのお心持も大変健康になったから何よりです。お母上のお手紙は、この間はじめてどことなく暢びりした調子でかかれてあったので、よかったと思いました。お話のあった手続のこと、私の分だけはもうすみました。御安心下さい。
初めてのお手紙で、あなたの体に注意していらっしゃること、その他、はっきりわかりました。もちろんそれらのことは、はじめから私にわかっていることであり、あなたが懸念なくいらっしゃる如く、私も全く懸念ないのですが、あなたから響ある言葉をきけば一層のことです。この間書いた手紙をよんでいらっしゃれば、私のかくもののこと、もうあらましのことは申上げたと思いますが、「小祝の一家」