轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ばくおう
獏鸚
海野 十三
「新青年」博文館、1935(昭和10)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,493 字 · 33 页
木戸氏は函の中に入って、フィルムの入った丸い缶を持ちだした。そして手馴れた調子でぴらぴらとフィルムを伸ばしては窓の方に透してみるのであった。
「ああ判りましたよ」木戸氏は、急に手を停めて云った。
「数日前、誰かフィルムの一節を切取って行った奴がいるのです、そしてそのまま後を接いで置いたものだから、あんな風に不連続なのです。これに私も気がついたものだから、別にして置いたのですが、誰かが間違えて編集ズミのフィルムへ接いでしまったというわけです」
「フィルム切取りですって?」と帆村は体を乗り出して、
「そんなにいい場面が映っていたのですか」
「そんなんじゃないんです。酔っぱらいをがやがや云って女給が送りだすところですから、何のいいところがありましょう」
「可怪しいじゃありませんか」
「ええ、可怪しいと云えば、可怪しくないこともないのですが……」
「なんですって?」
「木戸君、この人は探偵趣味があってね、そういう変なことを面白がるのだよ、訳を話してやり給え」
と、私が説明してやると、木戸は、それなれば――と云って非常に真面目くさった顔で、フィルム切取り異変について語りだした。