轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ばくおう
獏鸚
海野 十三
「新青年」博文館、1935(昭和10)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,493 字 · 33 页
「喫茶店ギロンでね、僕は恰好の団員が張りこんでいるのを、いち早く見つけてしまったのだよ。それはちょっと見るとダンサーのような洋装の少女だった。年齢の頃は二十二三と見たが、いい体をしているのだ。胸の膨らみだの、腰のあたりの曲線などが、男を引きつけずには居ないという悩ましい女さ。しかし器量の方はあまり美しいとは云えない。むしろ身嗜みで不器量をカムフラージュしているという方だ。僕はその女を認めると、つかつかと傍によって、ちょっとサインをした。これは相手の身体にぴったり寄り添ってする暁団一流のサインなのだ。君は嘸知りたいだろうが、遺憾ながらこいつばかりは教えられないよ、ふふふふ。……すると果して反応があった。女はポケットから手を出して、僕の掌の中に入れた。なにか西洋紙のようなものが当る。それを女は渡そうとしたのだ……」
帆村はそこで急に黙ってしまった。コトコトと部屋を一周したけれど、まだ黙っているのであった。
「それからどうしたんだい?」と私は不満そうに話の続きを催促した。
「……イヤア失敗だ。こっちがつい固くなったものだから、女の手から西洋紙――つまりそれが密書だった――それを受取るのに暁団の作法を間違えてしまった。