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げんだいしのちょうつがい

現代史の蝶つがい

宮本 百合子

大統領選挙の感想

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,033 字 · 18 页

青空文庫

このたびの大統領選挙が世界の視聴を集めたのは、デューイとトルーマンとのたたかいにおいて、アメリカ民衆の民主的な意志と、世界の平和的善意、理性とがどう反映するか、そこが見ものであるからだった。重大さはそのことにあったにもかかわらず、日本では天下りに共和党デューイ個人の当選確実があんなにも注入され宣伝された。このことも日本のわたしたちにとっては忘れられない。

一九四六年の二月ごろであったろうか。婦人民主クラブが第一回の創立大会をひらいた。会場である共立講堂へニュースのライトが輝いたらしく、派手な空気は、わたしをおどろかした。婦人民主クラブの成立に関係をもった幾人かの婦人が話をした。加藤シズエ夫人もその一人だった。もうそのころ立候補がきまっていた夫人は、婦人と政治的自覚について話し、彼女の見たアメリカの選挙を手本とした。民主的な議会政治では議席を多くしめる政党が政策を実現できる。どんなに立派な政策をもっている政党でも議員が少数では、何も実現しない。彼女がアメリカにいたとき行われた選挙で、ある一人の学者が中立で立候補し、その人格と政策は多くの人の信頼をあつめていたが、彼女の周囲のアメリカ人はその人に投票しなかった。