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げんだいにんじゅつでん
現代忍術伝
「講談倶楽部 第一巻第八号~第二巻第三号」1949(昭和24)年8月1日~1950(昭和25)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,446 字 · 155 页
一風呂あびて、昼食。正宗菊松が七八年見たこともない珍味佳肴の数々。然し、ゆっくり味あうこともなく、自動車がきました、という。あわてゝモーニングに威儀を正して玄関へ降りる。半平、才蔵、坊介の面々、すでに米俵や酒樽などを車中に持ちこんで、待っていた。
箱根底倉の藤原伯爵別邸がマニ教の仮本殿となっているのである。自動車がスルスルと動きだして、わずかに二分と走らぬうちに、とある門構えの前にとまる。才蔵が駈け降りて門番に交渉すると、大門がサッとひらいた。大新聞も、ニュース映画社も、大雑誌社も、かたく閉したこの門内へふみこむことができなかったという難攻不落のアカズの門。なんの面倒もなくサッとあいた。
白河半平がニヤリと笑った。当りまえさ、という顔であった。そして彼は、痩せッぽちの胸をグッと張って、腕組みをした。戦意たかまり、自信満々の様子である。
正宗菊松も戦闘にそなえて胴ぶるいをし、半平にまねて、胸をそらした。何か電気のようなもので、いつも半平に急所々々で気合いをかけられているようであった。自動車はスルスルと邸内へすべりこんだ。
その三 魂をぬかれて信徒の列に加えられること