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げんだいにんじゅつでん
現代忍術伝
「講談倶楽部 第一巻第八号~第二巻第三号」1949(昭和24)年8月1日~1950(昭和25)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,446 字 · 155 页
献納の品々が仮本殿の内へ運びこまれる。ヨイショッと四斗俵を担いで運びこむのは才蔵と坊介、平山ノブ子は天草物産の製品を蟻のようにせわしなくセッセと持ちこむ。才蔵と坊介はとって返して酒ダルを。醤油ダルを。武芸者のようにいかめしく構えた教祖護衛の面々もポカンとしているテイタラクである。
ミヤゲ物を運び終ると、才蔵と坊介が正宗菊松の左右から、
「さア、どうぞ、常務」
と敬しく、うながす。もっぱら常務に敬意を払って、マニ教を自宅のように心得たなれなれしさ。するとノブ子がツと進みでて、常務の靴のヒモをときはじめる。
正宗菊松は自然に内部へあがりこみ、尚も才蔵、坊介にみちびかれて奥へ進もうとすると、ポカンと見とれている四五名の護衛の中から、威儀をとゝのえた中年の男がすゝみでて、
「コレ、コレ、不敬であるぞ、待たッしゃい。ここへ坐りなさい」
才蔵が小腰をかゞめて、
「ちょッと、教祖にお目通りを願いたいと思いまして」
「不敬であるぞウ」
中年の男は、われ鐘のような大音声で叱りつけた。それはまったく部屋の空気がはりさけるような全力的な一喝だった。才蔵、坊介の心臓男も、調子が狂って、びっくり顔。