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げんだいにんじゅつでん
現代忍術伝
「講談倶楽部 第一巻第八号~第二巻第三号」1949(昭和24)年8月1日~1950(昭和25)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,446 字 · 155 页
「どうしたの? お父さん」
物音をきゝつけて、半平が襖をあけて顔をだした。事情をさとると、物に動ぜぬ半平も、しばしは茫然たるものであった。
「ふーん」
半平は感心して一唸りしたが、もう気をとり直してニコニコしていた。
「そうかい。お父さん、オネショの癖があったの、言っといてくれりゃ、夜中に起してあげたのに」
彼はちッとも騒がなかった。
「オイ、起きろよ。坊介クンも、才蔵クンも、もう起きる時間だよ。お父さん、お風呂へはいッてらッしゃい。その間に片づけておくからね。ハイ、歯ブラシ。ハイ、タオル。それから、ハイ、石ケンとカミソリと。オフトンの上へユカタもサルマタも脱いどいて行くんだよ。とりかえといてあげるからね」
正宗菊松は一々品物をうけとり、言われた通りハダカになって、ただ、うなだれて、部屋づきの浴室へはいった。
「ワア、臭い。馬みたいに、たれ流したもんじゃないか」
と雲隠才蔵の叫び声がきこえたが、
「よけいなことを言うんじゃないよ。ボクが女中に云ってくるから、キミはサルマタを買ってきなさい」
「よせやい。朝ッパラからサルマタ売ってる店があるもんじゃねえや」
「いけないよ。