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げんだいにんじゅつでん
現代忍術伝
「講談倶楽部 第一巻第八号~第二巻第三号」1949(昭和24)年8月1日~1950(昭和25)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,446 字 · 155 页
舌ざわりが悪くないから、つい油断して飲みやすい。
ツル子はその時アルコールが唯一にして絶対の必需品であるから、味の悪くないのにまかせて、怖れるところなく、のみほす。怖れをなしたのはサルトルの方で、
「あなた、そんなに召しあがっていいのですか」
「ヘイチャラよ。こんなもの、一瓶や二瓶ぐらい。さア、飲みっこしましょうよ。私が一パイのんだら、あなた三バイ召しあがれ」
「ハア。アタクシは三バイでも五ハイでも飲みますが」
サルトルはハラハラしているが、ツル子はそれが面白くて仕方がない。というのは、もうメイテイの証拠である。
「サルトルさん、箱根の裏山に阿片を埋めてらっしゃるって、ほんと?」
「これは驚きましたな。どうして、そんなことを御存知ですか」
「みなさん知ってますわよ。そんな話に驚いてたら、この会社に勤まらないわ。ウチじゃア、帝銀事件ぐらいじゃ、驚く人はあんまりいないわね。マル公で売ったり買ったりする話だと、おどろくわ」
「なるほど。聞きしにまさる新興財閥ですな」
「男の方って、羨しいわね。密林へ阿片を埋めたりなんかして、ギャング映画ね。サルトルさん、ギャングでしょう」