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げんだいぶんがくのひろば

現代文学の広場

宮本 百合子

創作方法のこと・そのほか

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,491 字 · 19 页

青空文庫

を推薦しなかった事実である。炬燵の中の雪見酒めいた文学の風情は、第二次大戦後の人類が、平和をもとめ、生活の安定をもとめてたたかっている苦痛と良心に対して、さすがにあつかましく押し出すにたえ得なかったのであった。

この実例は、ある人々の日ごろの社会的、文学的態度の安易さがばくろされたモメントとして見るよりは、むしろ、現代文学のこの崩壊にかかわらず、やはり文学につながる理性と人間的良心のうちには、くらましきれない責任感がのこされている、という角度から観られてよいと思う。なぜなら、この一つの事実の中にも、現代文学に要求されているのは、社会性であるという確実な証拠があらわれているからである。

三好十郎の毒舌が呟きに終り、中野好夫が沈黙するのも、現在より多く否定的な文学現象でしかあらわされていない文学の動きの中にさえ、明日の文学がよりひろい社会的実在として展開することを期待する心が働いているからである。

民主主義文学の運動が、この四年間の活動にもかかわらず、こんにち、現代文学全般のこの危期に、必要なだけ積極的影響をもち得ないでいるということが許されるだろうか。