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げんだいにほんのしそうたいりつ

現代日本の思想対立

戸坂 潤

「現代日本の思想対立」今日の問題社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 页

青空文庫

電燈についても同様であることが報じられている。

だが電気会社当業者にいわせると、農村の自家用発電は、設備費の割合に電力消費量が少なくまた季節的なムラが甚だしく、それに水力の不平均や技術家の薄遇等々の理由によって、いずれも経営困難に陥っているというのである。

それだけではない、仮に電気料金が安くついても、全体の生産費や運賃が嵩み勝ちな農村工業生産においては、電力料金の安いことやその引き下げなどは、大した意味を有たぬと電気業者はいうのである。

折角の農村工業化策も、電気会社の資本家当事者からケチをつけられた形であるが、しかしもっと厄介なのは、農村における産業組合の問題なのである。いうまでもなく、農村対策の第二の方向は産業組合主義にあるのであるが、今いった農村電化問題もまた、産業組合の問題に直接に結びついていたのである。

というのは、農村における例の自家用発電設備の殆んどその大部分は、産業組合の所有だったからである。だから電気会社の資本家達は、つまり産業組合にケチをつけたということにもなるのである。

ところで、日本商工会議所会頭郷誠之助氏は、或る日府県の経済部長達を招待して、産業組合助長をやめるようにという訓示(?)を与えた。