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げんだいにほんのしそうたいりつ

現代日本の思想対立

戸坂 潤

「現代日本の思想対立」今日の問題社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 页

青空文庫

そうしないと言論は勝手な向う見ずの活動を始めて親の眼から見ると危くて見ていられない。民衆は時々保護検束してやらないといけないと同様に、言論も保護検束が必要なのである――噂によると二月、某大新聞の旧幹部達が軍部と連絡を保って新聞総局なるものの実現を画策したということがある。

一定国策に対する世論の製造、挙国一致の国論を決めるのに、国家はこうした大新聞言論統制機関を設けようというのである。噂のその後は知らないが、然しすでに内務省警保局ではその春言論の国家的統制の成案をほぼ得たというのは事実である。内閣直属の情報部を置いて、ここから新聞社や通信社にニュースを専売的に提供しようというのである。その一つの現われとして、内務省は陸海外務と同席の上、都下の大新聞の代表者達に向かって帝国の最高機密を暗示するような報道を一切慎しむこと、これが充分に行なわれなければ法令をして制限を加えるぞといい渡した。

警保局は外国新聞雑誌書籍の輸入に就いても検閲を統一し重加した。税関当局と内務省図書課とが直接に連絡を保って、反日本国民精神的な出版物の入国を防止しようというのである。