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げんだいにほんのしそうたいりつ

現代日本の思想対立

戸坂 潤

「現代日本の思想対立」今日の問題社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 页

青空文庫

さて東北を救済振興して年六分の配当を受けるという、そういった道徳的にも物質的にも幸福な連中は誰かというと、その半分は預金部の低利資金や簡易生命保険積立金の融通を受ける東北六県の有志達で、あと半分はなるべく「東北住民」(?)の方がいいが、しかし必要とあればどこの小金持ちでも金持ちでも悪くないというのである。

では電力会社の方はどうかというと、東北地方における水力を開発して低廉な電気を供給することを、その事業目的としている。しかし勿論、ソヴェートのように冷害のときに電気で稲を温めるのではない。ただせめて電燈料や動力を安くしてやろうというのである。しかしあまり安くしすぎては事業目的に副わなくなるので、ここでも矢張り年六分の配当が必要なのだが、万一それが不足を来すようなことがあったら、充分料金を値上げすべきで、それでもまだ足りなかったら、株式払込金額の四分以内の配当を、政府が保証しようというのである。

しかしこれは前の興業会社を独占的な株主にする内規で、うまく該事業に割り込んだ紳士達は別として、一般の株主は造らない方針だから、この親会社を二十五年間も配当保証する以上、この子会社の方の配当保証は十年間ぐらいで御免蒙るという仕組みである。