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げんだいにほんのしそうたいりつ
現代日本の思想対立
戸坂 潤
「現代日本の思想対立」今日の問題社、1936(昭和11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 页
二 愛国運動と右翼小児病
(一九三四・一〇)
二 愛国運動と右翼小児病
私は従来、AKの放送について、中でもその講演放送について、甚だ不満をもっていたものである。日曜ごとに満州から、まるで中味の空っぽな無意味な放送が雑音と一緒に敢行されたり、何らの理論的根拠もない、子供っぽい言論がもっともらしく電波に載せられたりするのを聴いて、私は国辱というものが本当に何であるか、ということをつくづく考えたものだ。
ところで、ある必要から三五年中のラジオ講演を一通り調べて見ると、三五年は案外こうしたファッショ的お調子ものが少ないということに気づいたのである。無論、別にこの年の正月を境にして急にどうこうなったとはいえないのだが、ちょうど臨時議会と本議会とがその前後を通じて開かれていたのだから、そのなだらかな変化が、多少はここに角立って現われたものだろう。何か相当決定的な世相の変化がここにはあったのだ。
広田前外相は議会で、私の在職中は戦争はなかろうと思うと断言している。なる程北鉄交渉は円満に手打ちとなるし、蒋介石氏をして抗日を謹慎させる件も或る程度まで成功であったらしい。少なくとも後者の問題は、蒋氏が浙江財閥の要求に従って或る程度の親日と共産軍討伐とに身を入れることを意味するが、これは日本側の軍部と資本家との両者にとって寸分の食違いもない共通の利益