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げんだいにほんのしそうたいりつ
現代日本の思想対立
戸坂 潤
「現代日本の思想対立」今日の問題社、1936(昭和11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 页
だが注目すべきはモラルの問題が文芸学の課題にまで上せられたことである。文芸学研究の提唱と、文芸学の日本主義化に対する批判とが台頭した。
第二に注目すべきものは、民族論議の台頭である。之は理論としては大体三つのオリジンに発している。一つは唯物論者の側からであり、二つには「国民思想」の理論家達の転向イデオロギーに基くものであり、三つには『文学界』や『日本浪曼派』を中心とする文士達の民衆論議乃至日本伝統論に基くものだ。民族論議は「日本的」なるものや「日本の民衆」の問題として次第に激しく論議されるに至った。その可なりの場合、反動的日本主義乃至民族至上主義に帰着するものが多いが、とに角之が今後の切実な問題となることは疑われない。ヒューマニズム論議も亦、ここに結び付いてのみ、展開の可能性を有って来るだろう。
専門的宗教家が思想統制に大して役に立たぬことは今までと変らない。宗教で思想上意味のあるのは、寧ろ多数の邪教が不敬宗教であることが発見されたという事実だ。つまり邪教の主な大きなものは、日本の政治動向に順応して初めて邪教たり得た、ということの発見だ。単なる「迷信」