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げんだいにほんのしそうたいりつ
現代日本の思想対立
戸坂 潤
「現代日本の思想対立」今日の問題社、1936(昭和11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 页
という課題をみずから提出しているのである。
処が検閲の合理化と云っても、実は検閲を本当に理性的に合理化することではなく、即ち検閲に対して理性的根拠から批判抵抗を試みるということではなく、つまり当局と映画資本とが検閲に関する事前の協定を取り結ぶことに他ならないのであって、一例としては日活トーキー「のぞかれた花嫁」のように、全篇を通じて歌詞の吹き込み直しをしなければならぬような不経済を合理化することに他ならないのである。
だから検閲の合理化なるものは、結局映画企業の無政府主義的自由競争の不経済を統制的に整理することと一つづきのことだったのが、ただ問題はこの合理化が同業者同志の間の合理化や何かではなくて、国家権力の当事者と映画企業家との間の云わば一種の政治的対立の間に於ける協定だということである。
映画の場合に見受けられるように、興行は一般接客業と同様に当局に対して阿諛的であり、支配社会に向かって事大的なものであるのが通り相場であるが、そこからこの種の職業組合がおのずから当局肝煎りの官許組織となり、検閲の合理化のための機関ともなるのである。
帝国美術院も著作権審査会も文芸懇話会も、併しこの日本活動写真連盟と本質上別なものではない。