轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
げんだいかがくきょういくろん
現代科学教育論
戸坂 潤
「科学ペン」1937(昭和12)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,100 字 · 18 页
ではその代りに何があるのか、推理か、それとも他の何かか。だが科学教育をそういう心的能力という形式的観念から問題にすることは間違ってもいるし流行ってもいないだろう。だがしかし、では中学の物理学は何主義で教えられるか。
本当を云うと云わば一種の歴史主義(相対主義とは無関係とする)に基くべきものだ。力学の三法則は如何にして発見され如何にして整備されたか、そして夫は誰によってどういう問題を解くべく求められたか。この物理学の主な夫々のテーゼの有っている歴史的な苦心を抜きにして、いきなり出来上ったものをもち出されたら、記憶しようにも合理的な根拠を見出し得ないだろう。勢い暗誦というような無理な形になる。一体暗誦というものはヴェルギリウスかホラティウスの文章でも記憶する時の手段であって、文献学的なものであり、自然科学の精神とは一応別な系統のものだ。
記憶ということは素養の能力として何より大切なもので、これに就いての認識論的又は教育理論的注目は割合薄いのではないかと考えられる。数学さえ本当の意味では記憶によるのだ。理解の能力と記憶の能力とは平行するのが普通で、理解したものは記憶出来るし、記憶出来たものは理解したものに限るのだ。