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こうしゅうちんぶたい

甲州鎮撫隊

国枝 史郎

「講談倶楽部」1938(昭和13)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,891 字 · 28 页

青空文庫

の力で、甲府城を守り通すことが出来たら、莫大な恩賞にあずかるという、有難い将軍家のご内意はあった。私や土方は、大名に取立てられることになっている。だから君も従軍したいだろうがいや……従軍しなくとも、従来の君の功績からすれば、矢張り一万石や二万石の大名には確になれるし、私からも推薦して、決して功を没するようなことはしない。

……だから今度だけは断念してくれ。……それに、従軍しなくとも、君の名は、鎮撫隊の中へ加えておくのだから」

「いえ、先生、私は体は大丈夫なのです。……いえ、私は、決して、大名になりたいの、恩賞にあずかりたいのというのではありません。……私は、ただ、腕を揮ってみたいのです。……ですから何うぞ是非従軍を。……それに今度の相手は、随分手答えのある連中だと思いますので。……それに新選組の人数は尠し……そうです、先生、新選組は小人数の筈です。京都にいた頃は二百人以上もありました。それが鳥羽伏見二日の戦で、四十五人となり、江戸へ帰って来た現在では、僅か十九人……」

「いやいや」

と勇は忙しく手を振った。

「それがの、今度、松本先生のお骨折りで、隊土を募ったところ、二百人も集まって来た。