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こうしゅうちんぶたい

甲州鎮撫隊

国枝 史郎

「講談倶楽部」1938(昭和13)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,891 字 · 28 页

青空文庫

いずれも誠忠な、剣道の達人ばかりだ。……それに、勝安房守様より下渡された五千両の軍用金で、銃器商大島屋善十郎から、鉄砲、大砲を買取り、鎮撫隊の隊士一同、一人のこらず所持しておる、大丈夫じゃ。……そればかりでなく、駿河守殿は、生粋の佐幕派、それに、城兵も多数居る。……人数にも兵器にも事欠かぬ。……だから君は充分ここで静養して……」

「先生、私の病気など何んでもないのです」

「それが然うでない。松本先生も仰せられた……」

「良順先生が……」

「そうだ、松本良順先生が仰せられたのだ。沖田だけは、従軍させては不可ないと」

「…………」

「松本先生には、君は、一方ならないお世話になった筈だ」

「現在もお世話になっております」

「柳営の御殿医として、一代の名医であるばかりでなく、豪傑で、大親分の資を備えられた松本先生が、然う仰せられるのだ。君も、これには反対することは出来まい」

「はい」

総司は黙って俯向いて了った。

思出の人

総司は、良順の介抱によって、今日生存えているといってもよいのであった。はじめ総司は、他の新選組の、負傷した隊士と一緒に、横浜の、ドイツ人経営の病院に入れられて、治療させられたのであったが、良順は