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まちはずれのあきち
町はずれの空き地
小川 未明
「教育行童話研究」1937(昭和12)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,474 字 · 5 页
「ああ、そうか、おまえさんは、ここで生まれたのか? それは、なつかしいだろう。わかったよ。おじいさん、明日から、私は、ほかでかせぐことにしようよ。」
紙芝居のおじさんは、みんなに向かって、帽子を脱いであいさつをすると、あちらの町の方へいってしまいました。
二人の少年は、なんとなくさびしい気持ちがしました。そして、先刻、松の木の下にすわって、空を見て、空想にふけったことが思い出されたのであります。
「人間にも、あの松の木のような人もあれば、また、雲のような人もあるんだね。」と、博くんが、考えながら、いいました。立雄くんは、だまっていましたが、しばらくして、
「ねえ、博さん、おじいさんの子供の時分から、あの松の木は、あったんだね。」と、立雄くんは、別のことを考えていたとみえて、うしろを振り返って、空き地の真ん中に立っている松の木をながめて、いったのでありました。
よく晴れた、空の、あちら、こちらに、たこは上がっていました。しかし、白い雲は、どこへいってしまったか、もう、見えなかったのであります。