轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ちくけんだん
畜犬談
―伊馬鵜平君に与える―
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,173 字 · 24 页
復讐されるわけはない。
「だいじょうぶだろうね。置いていっても、飢え死するようなことはないだろうね。死霊の祟りということもあるからね」
「もともと、捨犬だったんですもの」家内も、少し不安になった様子である。
「そうだね。飢え死することはないだろう。なんとか、うまくやってゆくだろう。あんな犬、東京へ連れていったんじゃ、僕は友人に対して恥ずかしいんだ。胴が長すぎる。みっともないねえ」
ポチは、やはり置いてゆかれることに、確定した。すると、ここに異変が起った。ポチが、皮膚病にやられちゃった。これが、またひどいのである。さすがに形容をはばかるが、惨状、眼をそむけしむるものがあったのである。おりからの炎熱とともに、ただならぬ悪臭を放つようになった。こんどは家内が、まいってしまった。
「ご近所にわるいわ。殺してください」女は、こうなると男よりも冷酷で、度胸がいい。
「殺すのか」私は、ぎょっとした。「もう少しの我慢じゃないか」
私たちは、三鷹の家主からの速達を一心に待っていた。七月末には、できるでしょうという家主の言葉であったのだが、七月もそろそろおしまいになりかけて、きょうか明日かと、引越しの荷物もまとめてしまって待機していたのであったが、なかなか、通知が来ないのである。