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いせいのゆうじょう

異性の友情

宮本 百合子

「婦人画報」1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,393 字 · 9 页

青空文庫

女性として社会に求めている積極の面で働こうと欲していると思う。それだのに結婚の対象を選ぶときには男の心が保守となり、そのことでひいてはこれまでの友達としてのつき合いも女性の心の自然からいつとはなしにたたれることにもなる。

友情といわれるごくひろい気持の上で経験されているこのような相剋は、女性がますます社会的な活動にひき出されて来ている今日、若い世代の生活感情にとってあるいは時代的な不幸としての性格をもつものではないかと思う。実生活の困難がますます加わって来るにつれて、男は妻をますます家政の守りとして求め、その求めてゆく心にいつしか日本の社会の古い古い陰翳が落ちて、新しい世代の賢さから生れる家政上手に信頼をつなごうとするより、そのことではむしろ旧套にたよった守勢をとる。

両性の向上ということから、女性が社会に向って示す積極な態度を評価することさえも、今日の若い世代の男性にとってただある時期のこのみに過ぎないものとなっているとしたら、歴史を推しすすめる世代の意義をどこに見たらいいのだろう。

あらゆる面から若いひとたちは、社会的な活動に入ってゆくことで、自分たちの社会観をひろく強くして行かなければならないと思う。