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とざんだんぎ

登山談義

木暮 理太郎

「山」1935(昭和10)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,219 字 · 16 页

青空文庫

其図に頂上に池があって玉池と書いてある。さて登って見ると小屋はあったが池は無い。それで農ヶ池を見て、てっきり之が玉池であると思い、駒ヶ岳の紀行を学校の雑誌に載せる時、其の通りに書きました。後に山崎博士の『大日本地誌』を見ると、其文が少し訂正されたのみで、木曾駒の項に引用されているので大いに恐縮したのです。

然るに山の会で此話をして帰京した後、十月になって偶々別の帳面が出たので調べて見ると、夫には玉岳、ノワカ池と並べて書いてあります。私の見た帳面は玉と池の二字の外は磨滅していた為に、粗忽にも農ヶ池を玉池と早合点したものであることが判明して、重ね重ね恐縮に堪えない次第ですが、夫にしてもノワカ池のワの字はウの字の点がかすれたものとは如何しても見えないから、ノワカ池が正しく、夫がノウに転訛したものかも知れません。尤も金懸岩と思われるものが金指岩となっているから、今の称呼が正しければ、帳面は誤っていることになります。上述の様な間違を起すことが稀にはあっても、兎に角慣れぬ旅をする人に取りては、輯製二十万分の図よりも頼りになるものでありました。

斯様な講は私の村だけに限らず、広く各地に亙りて組織され、各講中の信徒は、登山の経験ある先達に引率されて、団体登山を行った。