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しらがこぞう
白髪小僧
杉山 萠円
「白髪小僧」誠文堂、1922(大正11)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,770 字 · 194 页
王はそれにヒラリと飛び乗って、赤鸚鵡の眼の光りを便りに、森の外へと駈け出した。あとに残った盲目の唖の白髪小僧は、最前の焼けどは熱くも何ともなかったと見えて、赤く腫れ上って引つった顔のまま、ニコニコ笑いながら四ツの道具を抱えて、どこを当ともなく、この森を彷徨い出た。
話し変って、最前四方にわかれて、赤鸚鵡を探しに行った紅矢や兵隊達は、何も見つからぬ内に日が暮れてしまったので、急いで約束の樫の木の森に来て見ると、今度は他の者は皆揃ったが肝要の王様が居ない。これは大変だと皆一度に馬に飛び乗って、口々に藍丸王様藍丸王様と叫びながら暗い山の中を駈け出すと、その中に南の方の立木の間から、真赤に光る松明が見えて来た。
ところが不思議や四十人の騎馬武者が乗っている馬は、この光りをチラリと見るや否や一度に立ち竦んで一歩も前へ進まなくなった。打っても叩いても動かない。蹴っても煽ってもどうしても、石のように固くなっている。
皆は驚き慌てて、これはどうした事と騒ぎ立てたが、中にも紅矢は吃驚して――
「皆の者、気を付けよ。あの光りは怪しい光りだぞ。事に依ると魔者かも知れぬぞ。