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しらがこぞう
白髪小僧
杉山 萠円
「白髪小僧」誠文堂、1922(大正11)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,770 字 · 194 页
貴様は悪魔でもないものを悪魔と云って、俺を馬鹿にしようとしたのだ。この鸚鵡の御蔭で、俺は居ながらに世界中の声を聞き取る事が出来、又この鏡の御蔭で、俺は世界中の出来事をいつでも見る事が出来るのだぞ。この二ツのものがある御蔭で、俺は世界一の賢い者になったのだぞ。それに貴様はこの重宝な宝物を無理に俺から取り上げて、俺を王宮の中に睡むらせて、世界一の馬鹿者にしようとする。貴様はこの国第一の不忠者だぞ。貴様、よく考えて見ろ。何にも知らぬ世界一の馬鹿が王様になっているがいいか。それとも何でも知らぬという事は一ツも無い、世界一の賢い者が王様になっているがいいか。どっちがいいか」
「はい。それは賢こいお方が王様になっておいでになる方が、この国の仕合わせで御座います」
「それ見ろ。それに貴様は何のためにこの俺を、何にも知らぬ馬鹿者にしようとしたのか。何のために鸚鵡や鏡を王宮に入れまいとするのか」
「噫、王様。それは御無理と申すもので御座います。王様はそんな鏡や鸚鵡をお使い遊ばさずとも、旧来から御賢こい有り難い王様でいらせられるので御座います。それにその鏡や鸚鵡が参りましてからは、王様の御眼を眩まし御耳を聾いさせて……」