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ひゃっかえん
百花園
宮本 百合子
「婦人画報」1926(大正15)年11月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,718 字 · 4 页
頭のてっぺんが平べったいような、渋紙色の長面をした清浦子は、太白の羽織紐をだらりと中央に立っていたが、軈て後を向き、赤いダリアの花一輪つみとった。それを、「童女像」のように片手にもって、撮影された。
一ときのざわめきが消えた。四辺は俄に夕暮らしい風情を増した。大東屋はいつかがらんと人気なく、肌つめたい秋の残照の中に、雁来紅の濃い色調、紫苑、穂に出た尾花など夜に入る前一息のあざやかさで浮上った。
茂みの彼方で箒の音がしはじめた。楢の梢に白い夕月が懸った。――
〔一九二六年十一月〕