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しんぼうとおしょうさま
真坊と和尚さま
小川 未明
「台湾日日新報」1936(昭和11)年10月31日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,028 字 · 5 页
そして、上を見て石を投げました。石は、太い柱に当たって、足もとへはね返って落ちたので、あわてて逃げてきました。
「こんど、誠くんだ!」
やはり、石は、うまく当たりませんでした。最後にいちばん臆病な常ちゃんでした。もとより、うまく当たりっこがありません。
「さあ、みんなが、いっしょに投げるのだよ。」と、真坊は、いって、
「一、二、三っ。」と、号令をかけました。
石は、散弾のように、はちの巣を目あてに飛んでいって、ばらばらと当たりに当たって、大きな音がしました。
すると、同時に、
「だれだ!」と、大きなどなり声がして、庫裏の方から、和尚さまが飛び出してくるけはいがしました。
みんなは、大急ぎで、首をすくめて逃げてきました。
「明日、ラジオ体操にゆくと、和尚さまにしかられるかもしれない。」と、常ちゃんがいいました。村では、毎朝みんなが寺の境内に集まって、ラジオ体操をすることになっていました。
「わかりはしないや。」と、英ちゃんが、いいました。
「しかられたって、こわくないね。真ちゃん。」と、誠くんが、真坊の考えをききました。真坊は、にやり、にやりと、だまって笑っていました。