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まなつのよのゆめ
真夏の夜の夢
宮本 百合子
「女靴の跡」高島屋出版部、1948(昭和23)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,981 字 · 6 页
ブルジョア民主主義を完成してから――そこで個人個人の人間革命を完成させてから、その次の社会主義的な民主主義に――より社会的要因の多い個人への発展に向うと考える考えかたがはびこっている。
これが固着的に考えられれば、どんなに現実からはなれたものとなるかは、毎朝の新聞一枚よめば誰のめにも明白である。日本の一九四七年にブルジョア民主主義の完成を求めるというひとは、どこにその実際の経済的地盤――次第に興隆に向いつつある若い資本主義を見出そうというのだろう。日本の全人民が収入の七割以上を税金にとられ、終戦費がそこから出されてもゆく、そのどこにワルト・ホイットマンの時代の社会があるというのだろう。
歴史の圧縮された二重の性格を貫いて、人民生活の安定を可能とする方向として人民的な民主主義という、第二次大戦後の新しい歴史的環がつかまれるのである。
「真夏の夜の夢」は、まだきょうほどせっぱつまらなかった戦後の懐中に応じて、非常に好評であり、経済的にもあたったとされている。
土方与志氏が、東宝の大世帯の全体を活用しなければならない条件を考慮しながら観てたのしく、新鮮で変化にとみ、下劣でもないよろこびを、疲れた日本に与えようとした努力は十分につぐのわれた。