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めがね
眼鏡
小川 未明
「お話の木」1937(昭和12)年9月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 7,487 字 · 16 页
両手でこんなふうにパンを持って、それはかわいらしかったよ。すぐ足音で逃げてしまったが、見たら机の上に、糞が二つ落ちていた。は、は、は。」と、青木が、いいました。正吉は、なんだか、そのねずみのようすが目に見えるような気がして、おかしかったので、
「小さいねずみ?」と、きいてみました。
「ああ、まだ子供なんだね。壁の下に穴があいているだろう、あすこから、出たり、入ったりするのだよ。」
「早く、穴をふさいでしまったらおもしろいね。」
「一人では、できないな。」
三人は、いずれも動物が好きなので、目を細くして笑いました。ことに近眼の青木は、顔を上げて、眼鏡を光らしながら、そのときのおかしさを思い出したように、
「いま、いったら、いるかもしれないよ。」といいますと、
「いってみようか。」と、正吉も、小田も、たちまち同意しました。
三人は、肩を組み合って、口笛で、
千里の山坂をつかの間に
過ぎゆく旅路のおもしろや
と、うたいながら、はじめはゆるい歩調で駆けていましたが、途中から、小田が、独り大急ぎで、窓の下の方へ向かって走り出しました。なにか落ちていたのです。
「ああ、すずめの巣だ!」